お付き合いをはじめて5年、妊娠が分かりました。
嬉しさと同時に、これからの未来についてたくさんのことを考える日々が始まったのでした。
当時35歳の彼は結婚と離婚を一度経験しており、深く傷ついた経験から結婚願望はゼロということを聞いていました。
それでも30歳手前だった私は家族を持つことに対する夢もあり、私たちが選んだのは、事実婚という形でした。
「申し訳ないけれど赤ちゃんは、、、」「結婚という形式がどうしても受け付けない」という彼の意志は強く、授かった命に対しての想いになんとも言えない温度差を感じたのを覚えています。
違和感はあったけれど、初めての妊娠で不安が大きくこの時点で彼と区切りを付け私一人で育てていく覚悟ができませんでした。
私自身も結婚という形にはこだわりが無く、
「籍はいれなくていいから、お腹の赤ちゃんを一緒に育てたい」との思いで事実婚は私からの提案でした。
事実婚だからこそ、互いの役割をしっかりと話し合い、支え合う関係を築きたいと思っているのに、心の内を言葉にできない私が顔を出してきます。
深い話をして嫌われたらどうしよう。
検診一緒に行きたいけど仕事忙しいだろうし迷惑かな。
産婦人科、待ち時間長くて居づらいだろうしきっと面倒くさいよね。
まだ起きても無いことで不安になり自分の本心を伝えれない。
結果、心の声に蓋をして我慢する日々。
そんなもどかしさと、「子育てに必要なお金や環境は責任を持って整える」という彼の言葉にすがるような形で始まった事実婚。
つづく